刀剣乱舞、つるみか、つれづれ、綴ります・・・
鶴丸は降りしきる雨の中佇んでいた。

雨が空から落ちてくる、絶え間なく落ちてくる。
雨は、髪に、着物に吸い込まれていく。

雨を温かく感じる。
「・・雨って・・・温かいのか?」
掌を天に向けて、掌で雨を受け止める。
掌に少しづつ溜まる水滴。
それをじっと見つめる。

鶴丸が佇む庭先の縁側を三日月が通りかかる。

「・・・鶴丸?何をしている?」
少し驚いて三日月は鶴丸に問う。
「三日月、雨は温かいんだ。君も来てみろよ」
三日月は少し困ったような笑顔を鶴丸に向けた。
「・・・鶴丸、風邪を引く。早くこっちへ来い」

三日月が鶴丸を呼ぶと、鶴丸はすんなりと三日月の元へ来る。
鶴丸は雨で体を濡らしている。
「・・・何が雨が温かいのか、体は冷え切っているではないか」
三日月は濡れた着物を着替えて来い、と促すが鶴丸は
動こうとしない。

やがて、雨が小降りになり少し冷たい風が吹いた。
鶴丸の指先が空を漂う。次の刹那。
鶴丸は三日月を抱きしめた。
「・・・こら鶴丸・・・俺まで濡れてしまう」
言葉ではそう言いながら、三日月も鶴丸を抱きしめ返す。
「三日月、俺を温めてくれよ・・・」
「鶴丸は俺より温かいぞ」
「君を抱いているからだよ」
「ずっと、このままでいるつもりか?」
「くちづけしたい・・・」

不意に会話がとぎれた。

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